282. 政治家の使命・戦争とスポーツ
【2022年12月8日配信】
政治家は絶え間なく「平和構築」に尽くせ
文明アナリスト・新井信介さん
世界と日本の政治の現況を語る
12月8日は真珠湾攻撃の日【動画26分】
年明けの瓊音チャンネル【2023.1.3、29分】
日本古代史の真相に言及
許生、許黃玉、司馬懿、公孫淵、献帝、崇神ほか
本当の勝利、真の自由、文化を考える
〈参考〉
〈後記〉
前回の統一地方選の一か月ほど前、所用で
福井県に行ったときのことだ。どうしても地
元の市議に尋ねなければならない政治の問題
が生じ、夕方、その市議宅を訪ねた。
市議は運動着を着て、玄関で運動靴の紐を
掛けているところだった。その間、私は自己
紹介をし、用件を一分間で話すから一分間で
いいから応えていただけないかとお願いした。
しかし市議は、「これからママさんバレー
に行かなければならないので時間がない」と
言って、そそくさと車に乗り込んでしまった。
しばらくして私は、市議が向かった地元の
体育館に寄ってみた。市議は、十数人の三、
四十歳くらいの女性たちを相手に、男一人、
老骨に鞭打ち一所懸命トスのボールを上げて
いた。見事な、正確なトスの高さ、方向、角
度、速度である。大松博文を髣髴させるその
技量、迫力に市議の悲壮な決意を感じた。
「平和構築よりバレーボール」、「トスを
上げなければ議員にはなれない」、「票にな
ることしかしないし、できない」。これが今
の政治である。市議は八十歳間際の野党の重
鎮である。後日、選挙結果を見ると、市議は
最下位で当選していた。落選した次点候補者
との票差はわずか数十票。厳しい選挙、あや
うい状況だったのだ。ベテランの政治家は、
「一票の重み」を熟知していたのである。
トスを上げるたびに、市議は一票、二票、
三票と必死に数えていたに違いない。決して
楽しい顔や姿ではなかった。市議は、自身の
政治生命をあの執念のトスに賭けていたのだ。
そして、市議であるかぎり大松監督を演じつ
づけなければならない。一体なんのために。
(当講座編集人)
〈追記〉
戦争とスポーツ