暗い生活
【2020年9月21日配信 NO.24】
富山県高岡市 匂 咲子
見渡すかぎりの荒野を、ながめながら、この、
むこうに、バラ色の町があるでしょうか。
夕方になると、酔って忘れるために酒を飲み、
朝になると、人生のむなしさを感じて、今日
も生きます。子ども三人のために。
みけんにも、たてじわが寄り、人相も変わり
ました。白髪も光ります。
この生活から抜け出したい!
何が私をちゅうちょさせるのか!
親類の援助から、成立した家
家のない子ども
失いたくない私の職場
たかが、この理由のために、毎日男の機嫌を
とり、子どもとともに、怒鳴り飛ばされ、お
前は、信用できない、俺を売り飛ばした女だ
と、生活費も入れない男に、ばとうされてい
ます。
この生活を、殺したい。
たった一回こっきりの人生なら、自分の可能
性を試したい。もっと希望に、燃えて暮らし
たい。
心ある人を、心の恋人とし、子ども三人を育
てながら、精一杯生きてみたい。
この行きどまりのない、ほら穴から、いつ抜
け出ることができるでしょうか。
四十歳にあと二年です。私の心がいつも枯れ
すさんでいるのに、私の口から他人の悪口を
いう気持ちの余裕に苦しみます。
小社発行・『北陸の燈』第4号より