コロナと宗教
【2021年3月31日配信 NO.156】
石川県金沢市 小島 孝一
昨夜10時頃、スーパーで買物をして駐車
場にもどり、車に乗ろうとした寸前に若い女
性に声をかけられた。
「宗教に関心はありませんか」と尋ねられ、
「ありますよ」と応えると、「今から私たち
の教会へ来ませんか」と言う。私は「今から
ではちょっと遅いのでは」とためらうと、そ
こへもうひとりの若い女性が現われ、「そん
なことを言わずにいっしょに行きましょうよ」
と声をかけてきた。そして、教団発行のチラ
シと新聞を私にくれた。
私が断ってもふたりはどうしても後にひか
ない。やむなく私は、「分かりました。では
行きましょう。ただしひとつだけ条件があり
ます」と言った。
ふたりは、ふたりとも大きな白いマスクを
顔に当てていた。私はマスクをしていない。
「教会でも、マスクはしませんよ」と言うと、
「教会にマスクがありますから、あげますよ」
と応えたので、「そういう意味ではなく、私
はマスクをする意思がないので、しないとい
う意味ですよ」と念を押した。
ふたりは顔を見合わせ困った素振りを見せ
た。「どうしてしないのですか」と聞かれた
ので、「自分でいろいろ調べたり、研究者や
医師や学者、役所、政治家などの方々の意見
も参考にしてマスクもワクチンも必要なしと、
自分の判断で決めました」と答えた。そして、
「なぜマスクをしているんですか」とふたり
に問うと、「新型コロナが怖いから。教会も
教団も教主様もマスク着用と言っているから」
と答えた。
「どうして自分の頭で考えないのですか」、
「どうしてそんな大事なことを教主にゆだね
るのですか」という私の質問に、「教主様は
絶対に正しいから。あなたは真理を知らない
のです」とかたくなに言う。
「じゃあ、その真理を教えていただきに教会
へ行きましょう。行ってそこにいる教会の方
々にも私のマスクとワクチンへの考えを言わ
せてもらいます」と私が言うと、「それは困
ります」という態度を、ふたりはまた顔を見
合わせて、示した。
自ら去り行くふたりの後ろ姿に向かって私
は、「そんなの宗教でもなくただの洗脳だと
思います。私のような考えをもっている人間
もいるということを一度考えてみていただけ
ませんか」と声をかけた。
車に乗ろうとすると、私たちの会話を聞い
ていたふたりの男性が私の手を握ってきた。
「国も教会もいっしょですね」。その風貌と
体臭からホームレスの方とすぐに分かった。
「おじちゃん、ぼくもマスクはずすよ。ワク
チンもしないよ」
もうひとりは、小学新2年生だった。
〈参考〉
当講座NO.95と96の伊勢谷功さんの記事
「『宗教』とは何か?」も併せて参照し
ていただきたい。