総選挙をふりかえって
【2021年11月1日配信 NO.202】
清和会政治が終わりを告げる
新潟市 岩井 奏太
昨日の総選挙の結果、事前の予測を上回
る自民党の圧勝だといえる。清和会政治と
新自由主義からの撤退をめざす岸田政権の
勝利である。
自民党の党派内野党であった岸田派が実
質的な野党であったことと、立憲民主党や
共産党など野党各党が名ばかりの野党であ
ったことが、新型コロナの対応で露呈して
しまった。
自民党の圧勝にもかかわらず各マスコミ
が色好い報道をしないのも、清和会政治を
破った岸田政権を恐れている証左である。
甘利幹事長の小選挙区落選、幹事長辞任
表明も岸田総理、総裁にとってはおりこみ
ずみだったと思われる。今回の結果を想定
して敢えて甘利氏を自民党幹事長に抜擢し
ていたとも思われる。また、小沢一郎氏の
小選挙区落選も小沢政治の終焉を告げるも
のである。
残念ながら日本にはこれまで見せかけの
野党はあっても本当の野党がなかったのだ
から、憲政史上初の新たな形の本格的野党
内閣が誕生したといえる。これが今回総選
挙の意味であったというのが私の総括であ
る。
もし今回、岸田政権が負けていたら、野
党共闘が勝っていたら、コロナ禍の収束は
いつになるのか分からなくなったはずだ。
れいわ新選組の三議席獲得も大きい。岸田
政権と協力してこれからコロナ収束に向か
うことになる。
野党各党が再起を期し国民の信を真に得
たいのであれば、議員しばりを一切やめて、
各議員が自らの政治信条に基づき、従い、
「赤心を推して人の腹中に置く」の言葉を
かみしめ肝に銘じ自由に発言、発信してい
く以外にすべはない。
維新の出番はない。議席が大幅にふえた
からといっても清和会あっての維新である。
新自由主義の撤退とのジレンマにあえぐこ
とになるのは必定だ。岸田政権に恩を売れ
なくなったからだ。与党入りの道が閉ざさ
れてしまった。大阪を外国人居留地にする
のも難しくなった。維新も選挙に負けたの
である。
今回の選挙結果により、今はまだかすか
だが、日本国民にとって、ひいては日本在
住者や世界の人々にとっても、日本国独立
への道と明るい新しい未来を開く第一歩が
刻まれたと私はみている。政治の範を世界
に示す好機がようやくやってきた。
〈以下参考〉
「推赤心置人腹中」(セキシンを
おしてひとのフクチュウにおく)
自分の真心から推量して、人も
真心を持っていると考え、少し
も人を疑わぬこと。人を深く信
用すること。
[後漢書、光武紀上]
『新版漢語林』(大修館書店) より
[ゆっくり解説]
丙吉
庶民の暮らしから皇帝になった宣帝
〈追記〉
2022.3.14 日刊スポーツ