224. 天と地をつなぐ「おわらの風」
【2022年1月22日配信】
大寒
七尾市 石島 瑞枝
雪解けの春風を待つ坂の町
秋風(2023.9.3)
横浜市 髙祖 路子
夜流しの音色に染まる坂の街
撮影 木偶乃坊写楽斎さん
〈参考〉
越中八尾おわら風の盆
「深夜の夜ながし」
日本と日本人が失くしてしまった、
奪われてしまった温かい心情、郷愁
--それらを求めて各地から数多の
見物者が、魅入られたかのように、
取りもどすかのように八尾へと足を
運ぶのだろうか。
高橋治と石川さゆりの『風の盆恋歌』
の影響が大きいとも八尾ではいわれ
ている。言葉と歌の力のすごさか。
事実、この歌の前と後とでは、風の
盆訪問者数に圧倒的な差がある。
紅白で、「命を賭けてくつがえす」
と、着物の袖を強く握りしめ揺さぶ
りながらうたった「くつがえす」の
一語の中に、日本の歌手として歩ん
できた石川さゆりの、自らの心の奥
底にある深い懐いをも包んだ全情念
が込められている。
旅人の多くが八尾に滞在している中、
わずかのさすがの通だけが、おわら
本来の良さが漂っている深夜の夜流
しの、後ろ姿を見ている。個性ある
いでたちもすばらしい。
おわらは見せるものなのか、見られ
ることを意識すらせずに心ゆくまで
自ら楽しむものなのか。あるいはま
た、………… 高橋治と石川さゆりは、
諸々のことを考える、見直すための
たいへんな「契機」を与えてくれた
のである。
個人的な所感を述べれば、おわらは
縄文と江戸の文化が八尾で花開いた
ような気がする。 (当講座編集人)
(富山市長一行が特等?席に.見物席を間違えている)
福島のまちながし
花や紅葉は 時節で色む
わたしゃ常磐の おわら 松の色
うたで知られた 八尾の町に
盆が二度来る おわら 風の盆
踊りたいなら 宵待つうたを
月の出を待つ おわら 晴れを待つ
鳴くなこおろぎ 淋しゅうてならぬ
おまえひとりの おわら 秋じゃなし
月の出の 坂を抜けゆく 涼風夜風
盆が近いと おわら 言うて吹く
二間梯子を 一丁二丁三丁四丁五六丁
掛けても 届かぬ主は
どうせ天の星だと おわら あきらめた
蛍こいこい 八尾の盆に
夜の流しの おわら 道照らせ
見たさ逢いたさ 思いがつのる
恋の八尾は おわら 雪のなか
花も実もない 枯れ木の枝に
とまる鳥こそ おわら 真の鳥
風の盆恋歌
なかにし礼 作詩
三木たかし 作曲
第40回(1989年)NHK紅白大トリ曲
第31回(1989年)日本レコード大賞
最優秀歌唱賞曲
第22回(1989年)日本作詩大賞曲
管理社会をくつがえす
世界に誇るべき稀なる
どこよりも立派な校則
越中おわら節日本一の歌声
達人は場所を選ばず(謙虚な姿勢)
揺らぐ釣橋 手に手を取りて
渡る井田川 おわら 春の風
[小杉放庵作・春]
来たる春風 氷がとける
嬉しや気儘に おわら 開く梅
山へのぼれば 荊棘がとめる
荊棘はなしゃれ おわら 日が暮れる
うたの町だよ 八尾の町は
うたで糸取る おわら 桑も摘む
[中山輝作]
『日本民謡大観』町田佳聲
1989.12.27NHKラジオ第一放送
〈後記〉
当講座記事 NO.170 にも風の盆を
紹介しています。
NO.38、102、150、205の記事も併せ
て参照していただきたい。
桃山晴衣インタビュー
桃山晴衣 遊びをせんとや生まれけん
三絃ひとり旅【泥洹】
三絃ひとり旅【林雪】
2022.3.6 披講「春の日に詠める」
考古学者?らしからぬ事の本質から
ずれたなんとも評価しがたい実直な
おわら珍解説 町田佳聲と対極の姿
(この方に発掘調査任せて大丈夫?)
『一本刀土俵入』
受人滴水之恩 当以湧泉相報
一滴の水の恩に湧き出る泉をもって報いん
受けた恩は石に刻み懸けた情けは水に注ぐ
八尾娘の お蔦の唄に
むせぶ茂兵衛の おわら 土俵入り
[剣司作]
お蔦あみ笠 背に投げかけて
越中八尾の おわら 風の盆
[長谷川伸作]
受けた情けを この三味の音に
返すお蔦の おわら おわら節
蛍とびかう 八尾の里に
唄うお蔦の おわら 恩おくり
『八尾四季』八尾おわら資料館所蔵
(写真右側を左クリックすると拡大できます)
「私の生涯数百の新振り付けをやったが、
たいていは淡雪のように消えていった。
ひとりおわら節の振り付けだけは全く
おわらの滅びないかぎり永遠に遺り、
全国に広がることを思うと今生に満ち
足りた思いがする」
〈小社推薦映像〉
カメラのおじさんの帽子が気にかかる
御旅屋地蔵さん この坂下は
今宵なつかし おわら 月あかり
[野口雨情作]
恋の礫か 窓うつ霰
明けりゃ身にしむ おわら 夜半の風
[水田竹圃作]
八尾坂道 別れてくれば
露か時雨か おわら はらはらと
[小杉放庵作・秋]
あいや可愛や いつ来てみても
たすき投げやる おわら 暇がない
〈小社推薦図書〉
『おわらの記憶
-祭りでも盆踊りでもなく風の盆-』
編者 おわらを語る会、桂書房、2013
『八尾慕情 わたしのおわら』
著者・発行者 佐藤敏彦、2015
佐藤敏彦作
今町さかみち 路地すり抜けて
流しをどりの おわら 輪の中に
石段さかみち をとめが登る
聞こえ来ますよ おわら 下駄の音
八尾八ッ峰 川さえ八本
ふる雪ふる雨 おわら 井田川へ
〈追記〉
観光資源は「おもてなしの心」
東京五輪より立派
滝川クリステルはこの「おもてなし」の
言葉をパクったのか?
2022.1.29 文明アナリストの
新井信介さんが送ってくれた
動画とコメント
新井さんのコメント
景色がよくていい機能があれば、
田舎であればあるほど、
わざわざ人が来る。
まして、いい建築物があれば、
観光名所のみならず、
これが、災害の時の
「セーフティースポット」になれる。
そこに宗像久男さんが目指していた
診療所付き農家レストランなども。
完全無農薬、自然農エリア、
健康回復機能。
友だちができる。
ネットでの交流、地場の食文化や祭りも
楽しめるようになる。
幹線道路沿いのクルマやバイクの
対象ではなく、より小型で
自転車用の「茶屋でもいい」。
人は、「わざわざ」そこに来る。
私の目指すところでもある。
中国の若者(大学卒業生)が、
ボランティアで環境保護を始めていた。
チベット族の遊牧生活で、結構収入が
多くなっていた。標高4500Mで威力を
発揮する太陽光パネル。
サバイバルには大いに参考になります。
宗像久男医師「ガンは簡単に治せる」本当の日本人
太陽光パネルも利権が絡めば諸々の問題が生じる
のでは。純粋に人類の生活に寄与できるかが課題。
風と声・音・踊り・姿いでたち
2022.2.21
新井信介/マドモアゼル・愛 共著
『1991-2003 大予言・大予測
-来る時代 去る時代』
(総合法令出版・1997)
当講座記事NO.257より
432Hzについて
ations-helping-harn
〈小社推薦映像〉
一部観光客のマナーが悪いなかにあっても、
うたい手の気迫がおどり手に伝わり、かつ、
おどり手の反応がうたい手の美声をかもす。
相乗作用。
おどり疲れて 編笠敷いて
草を枕の おわら 盆の月
富山あたりか あのともしびは
飛んでゆきたや おわら 燈とり虫
[小杉放庵作・夏]
もしや来るかと 窓押しあけて
見れば立山 おわら 雪ばかり
[小杉放庵作・冬]
見たさ逢いたさ 思いがつのる
恋の八尾は おわら 雪のなか
仇やおろかで 添われるならば
神にご苦労は おわら かけやせぬ
竹になりたや 茶の湯座敷の
柄杓の柄の竹に
いとし殿御に 持たれて汲まれて
一口 おわら 呑まれたや
天満町にて 撮影 木偶乃坊写楽斎さん(氷見市)