328. ふるさとなまり

 【2024年1月28日配信】







 おばばの言葉          



            白山市 番匠 俊行                              


 私の両親は石川県石川郡美川町(現白山

市)に生まれ育ちました。両親のそれぞれ

の両親も同町の生まれ、育ちです。除籍簿

を見ると、私の先祖は全員、明治初期から

同町の住人でした。

 私は高校時代まで美川で育ち、そのあと

関東の大学を卒業し、宮城県内で就職し、

現在、郷里の美川で塾教師をしています。

 私の祖母は1900年生まれで伝統産業

の美川刺繍をしていました。亡くなるまで

町から一歩も出たことがなく、町の人たち

との会話を楽しみに生きていたようです。

 その会話を耳にした一端をご紹介します。

 美川町は手取川の河口の町で日本海に面

しています。作家の島田清次郎、詩人の邑

井武雄、政治家の奥田敬和、歌手の浅川マ

キ、五輪トランポリン選手の中田大輔らの

出身地でもあります。

 「美川弁」といってもいい言葉は、隣町

の能美郡根上町(現能美市)や能美郡川北

村(現能美郡川北町)、石川郡松任町(旧

松任市、現白山市)ともちょっと異なって

いると思います。

 私は金沢市内の高校に通ったのですが、

私の話す言葉がおかしいと、いつも友人に

笑われていました。言葉だけで伝えるのは

難しいのですが、動詞、形容詞、形容動詞

のエ音便がイ音便になったり、また、人名

や名詞の発音のアクセントや抑揚、強弱、

長短が独特みたいです。

 鹿児島弁が混じっているのではないかと

言う人もいます。もしそうであれば、最初

の石川県庁が美川町に置かれたことと関係

しているのかもしれません。内田政風とい

う薩摩藩士がトップとなりはるばるこの町

にやって来たと聞いています。ひょうきん

な美川の人たちが薩摩から来た役人たちの

言葉をおもしろがって真似して、流行らせ、

それがそのまま一部根づいたのではないか

と思ったりもしています。

 内田はなぜか金沢県とすることを拒否し、

県名を石川郡から拝借して石川県にし、さ

らに「美川県」にとまで県名をかえようと

したと聞きます。石川県はあわや美川県に

なっていた可能性もあったということです。

 これはこれでおもしろい話ですが、内田

は、美川町を中心にした金沢以上の新たな

県都を、白山を源として流れる県内最大の

河川・手取川(石川)をはさんで、創ろう

としたのかもしれません。

 私の聞いた祖母の言葉の動詞、形容詞、

名詞など品詞の分類、分析は読者の方々に

お任せして、以下自由気ままに記します。








「美川弁」


したっち            その通り、勿論、当然だ

いらっし     来てください

しゃびる     しゃべる

けなり      うらやましい

けなっりゃなん  うらやましいなあ

はばし     賢い

おもし     おかしい、変だ

きのどく    有り難い

きのどっきゃにん有り難いなあ

かなし     恥ずかしい

かなしこっちゃ 恥ずかしいなあ

おしょしね   申し訳ない、恥じ入る

しょおしね   申し訳ない、恥じ入る

なごなる    横になる

りくつな    珍しい、おもしろい

けえど     道、表通り、家の外

かど      上に同じ(語源は街道)

かどとおり   道行く人

あさしらぎ   コハコベ、薬草


ちょうえ    母親の実家に泊まること

ひろみ     広場

びるば     熊手

ほとこ     ふところ

ぐるじ     まわり

あわしゃ    

おい      居間、茶の間

おく      座敷、祖父母の寝る部屋

せど      裏庭

こんに     話し相手の家(その家で)

たちめぇ    新築棟上と饗宴

おいそ     向こう

おいそさっろ  あっちへ行って

しとつ     ひとつ

しんとく    漁師の弁当箱


あんごた    顎

ほおびた    頬

くちびら    唇

こびぃ     額

こびゃうつ   思案にくれる

ずこ      頭

ずこだし    でしゃばり

おちびた    尻

おいどび    お尻

どんど     胴着

ようがり    めだちたがり

こくげ     具合

かてっぽ    相手、片方

きびしょ    急須

おおと     玄関の戸

てぬぎ     手拭い

ほっけ     頬被り

かぶくろ    袋

ごんぶくろ   ごみ袋

ごんばこ    ごみ箱

ついぼ     杖

おんみゃそん  神社

おんみゃかし  寺社へのチップ


ここったし   ここら辺り

かてぇ     まじめだ、固い、きかん気だ

かてこ     賢い子、(賢子=紫式部の娘)

かてが     きかん坊、やんちゃぼうず

かてかんからかんまじめ一筋の人物

こすかん    嫌いだ、気に入らない

ごたむく    文句を言う

ごたむき    ごたむく人

こざかし    ずる賢い

しょま     下手くそ

おう      会う、合う、おんぶする

おうとる    合っている、おんぶしている


こそがす    くすぐる

こちょばす   くすぐる

おうどばす   おおげさだ

おうどな    やんちゃだ

 博多ん者(もん)な横道者(おーろーもん)とは

けえもんかご  買い物籠

こう      買う

こうちくて   買ってよ

こうちゃっぞ  買ってやるよ

なんか     お菓子

おてま     お使いのごほうび   

じぶき     雑巾

そこ      貴方

けたつ     脚立

がんがん    容器

からつ     陶器

きいはる    気を使う

しみず     湧き水

ほんにき    共同洗濯場(語源は掘り抜き)


おしこみ    押入れ

あっば     

でえこ     大根

こうこ     たくあん

そくせ     健康

そくせじおんまっし      元気でいてください

げっとび    競走で最後尾

げべた     競走で最下位

ひにくらし   大人びている

こうびる    大人びる

しゃあもみる  腹が立つ

せえもん    だだをこねる

せえもんめ   静かにしなさい   

こいる     太る

うつし     美しい

みんで     醜い

きな      黄色

きねぇ     黄色い


あんさ     

あんか     

あんま     

おじま     

おじ      

でけ      大きい

ちんちぇ    小さい

でけあんちゃ              長兄

でかんちゃ      長兄

ちんちぇあんちゃ   次兄

おとんぼ    末っ子

こっぱおじ   元気な末っ子

おめそん    貴方

おあんそん   立派な兄さん

つうつう    父親


あおだかす   おだてる

あおだかし   おだてること

あばらだし   やんちゃん坊

しゃあさって  明後日の翌日

てえそ     大層だ、体操

てえそくらっしゃほんとにたいへんだよ

おもすび    おにぎり

どくしょ    だめだ

きばる     いのる、力を入れる

がぁかる    意固地だ

おやき     金持ち、財産家

おやま     金沢


じゃあま    

たあたあ    姉

ばっちゃめろ  おてんば娘

よみさ     

よみどり    結婚式

よおしとり   一人娘、姉妹ばかりの長女

けっと     角巻に似た女性用の防寒具

 小柳ルミ子『雪あかりの町』


むこそん    お婿さん

たびのかた   町外から来た婿

そいえ     夫婦の相手方

でんにしる   大事にする

しみる     外が冷え込む

おもや     本家

しょてじ    分家


わり      お前

わて      わたし

うら      わたし

うらら     わたしたち

じゃちゃんね  だらしない  

いがいが    心が狭いさまを表わす

ほう      這う

ほうちありく  這って歩く、はいはい

おどかす    驚かす

あてぎ     いいかげん

おっしぇる   教える

こっぺ     たいへんだ

そこったし   そこらじゅう

にんがし    にぎやかだ

んまそな    大きな

んな      みんな、全部

んま      馬

んめ      旨い、梅

んもね     まずい

んめことゆい  口達者な者


くんま     

でえぐんま   祭りの山車

  各町でえぐんまの創建年代、人形名

にんに     あかちゃん

にんにもり   子守り

にんにば    寝巻き

あかにんに   永代町山車の太鼓打児童

  あかにんに、ふなでこ御旅所たかま入り

 (23分すぎに「あかにんに」.26分すぎに「ふなでこ」)

 子どもたちを喜ばせ、童心にかえる大人たち

    よいやさっさ うったりでえこ  ン  ドン

    もひとつ うったり  ドン  ドン

       みやも  ドンドンドン

       さかゆる  ドンドンドン

     かみさん  ドンドンドン  ドンドンドン  ドン  ドン


ふなでこ    船大工組合の山車

  舳先に神が宿る

  伍子胥 右手に筆、左手に重鼎

  申包胥 伍子胥の親友

  伍子胥の復讐劇

     おかえり二日目映像

     (ふなでこ伍子胥人形、5分すぎ)

  近藤佳星がうたう世界最高民謡『追分』                

 かもめの啼く音に ふと目をさまし    

 あれが蝦夷地の 山かいな  (当講座記事NO.391から)        
   

  ロシア民謡『ヴォルガの舟曳き歌』

  https://www.youtube.com/watch?v=sYr2tiP8Rrs

    『トロイカ』

    『郵便馬車の馭者だった頃』  

    イリヤ・レーピン『ヴォルガの舟曳き』

     古代ローマの上喜撰(蒸気船)


 『ホフマンの舟歌』  当講座記事NO.302から


てえこ        太鼓           

よんめ     祭りの前夜 

よんび     昨夜

ほそごり    寝巻きや浴衣の帯紐

ひぼ      紐

おしみ     襁褓

おしめ     おしまい、最後

おしめそん   ごくろうさま

わくちゃんねぇ  どうしようもない

やくちゃんねぇ  上に同じ


おめそん    貴方

がりぶし    痩せた人

せきじん    気が短い、またその人

とがむく    ねたむ、逆恨みする

いくす     よこす、与える

つまし     質素

つまししょうぞ 倹約しなさい

よぼる     呼ぶ

あびる     泳ぐ

いきしなけえり 行き帰りの途中

しょっ     

しょっもんや  四十物店

ひきっしゃく  今川焼き、焼き饅頭

はやつきん   マッチ

あま      屋根裏部屋

ひんにま    昼寝

わやく     冗談

なんだ     涙

なくみ     泣き虫

ちゃわ     あわて者

ござぶし    ござ帽子


しゃっねぇ   しょうがない

みとんね    みっともない

あんね     危ない

かんしょ    便所

やきど     火傷

えいと【yeito】  お灸

あがっと    上がり口

いき【yiki】       

こせた     雪かきする木の板

ごぼる     雪に足が埋まる

あらに     

かざ      におい

かざかす    においをかぐ

にぐせ     くさい

きなぐせ    腐ったにおいがする

だちかん    だめだ

だちゃかん   だめだ

しなしなと   そうっと、静かに


いだり【yidari】   涎

いんここ    犬

へえぼんぼ   蝿

おとっぴ    豆腐

はびん     蒲鉾

けいま     貝

おとと     

はりんこ    トミヨ   はりんこのHP

くなら     ゲンゲ


おくもじ    唐菜

ながし     台所

ほうちゃ    包丁

まねた     まな板

ようね     よくない、有り難い

ようねが    下っ端

いいが     上役

いいもん    劇やドラマの主役

わんもん    劇やドラマの悪役

ようねにん   有り難う

ようのうなる  有り難く嬉しい

    

おとなし    おとなしい、まじめだ

おとろし    怖ろしい

おとろっしゃ  こわいなあ

かんそん    神様

ほとくそん   仏様、優しい謙虚な人

おぼくそん   毎朝仏壇に供えるご飯

ごぼそん    お坊さん

わけし     若者

とっしょり   老人

こわろ     童

わらびし    子どもっぽい

こんじょよし  気のよすぎる人

こんじょわる  いじわるな人

だらこんじょよし底知れないこんじょよし


にぶてぇ    眠い

にって     眠い

ありがとおなる 眠気がおそってくる

あったらもん  もったいない

よくび     けち、吝嗇漢、守銭奴

やじん     欲深い

やじんげ    欲深い心

はすわ     気前がいい、太っ腹だ

はちもん    おろか者、大物

ものぐり    異様な人物、はぐれ者

かたかわり   変人、大人物

めえき     前掛、エプロン、割烹着

いじくらし   しつこい

いじっかし   しつこい

こっせる    こしらえる、作る

もねぇ     だるい、何もしたくない

ぐわっこ【gwakko】学校

くわじ【kwaji】        火事

いっくわぁい【ikkwai】一回

いさき     けんか

からかみ    障子


いさで     雄々しい、りっぱだ

いさどい    雄々しい、りっぱだ

いさる     いばる

ちんと     動かずに、動じずに

ちんとしとろぞ 動いてはいけませんよ  

ちんとしとれま 動くなと言っているのに

ちゃんと    天地に恥じないように 

ちゃんとしょうぞしっかりしていなさいよ   

よもくらわりい 具合が悪い

だらざびり   冗談ばかり言うこと

かんだす    暴れる

ちぶ      中風

ちっとり    ちりとり

かがかが    目を輝かすこと

ひっちゃくる  むりやり奪う

おとい     動作がにぶい

ちゃあつく   かたがつく

つっけ     つきあい

だんばしご   階段

ぼお      追う

ぼっかきる   追いかける


ずくずく    びしょ濡れの状態

かちゃかちゃ  物がこわれた状態

ちゃがちゃが  整理整頓できないさま

かたきり    からきし、からきり

けんけんぱ   石蹴り遊び

みなしょ    サイコロ遊びの一種

まわるが    回り将棋

ぱちん     めんこ

こぱちん    小さいめんこ

ちゅうぱん   やや大きいめんこ

おおぱん    最も大きいめんこ

ごちゅぱん   幅の厚いめんこ

ごつい     厚い

ちいちく    連れて行く

ちいちっち   連れてって

北原謙二『ふるさとのはなしをしよう』


もせぇ     心配だ

もせが     心配になる人

もせもん    どうしようもない人、大物

からくさん   いいかげん、うさんくさい

あてぎ     真偽がはっきりしない   

もおく     流木

てきで     手伝い

てって     手伝い、手

めいる     参る

めんにく    お参りに行く

けぇ      かゆい

からぎる    ぶらさげる

いいとしからぎちいい歳して(幼い言動を)

のかりる    別れる

よったり    四人

めっち     仲間に入れてよ

まじち     仲間に入れてよ

いっぺん    一度

もっぺん    もう一度

もっつ     六つ


かさだか    大げさ

がちゃぶり   どしゃぶりの雨

かっきゃま   かきやま

あっくりしる  安心する

やぼこき    卑怯なことをする者

はげぇ     くやしい

はんげぇ    くやしいなあ

はががり    嫉妬深い人

はごて     反抗

はごむく    反抗する    

あだきる    ふざける、騒ぐ

ちみる     指の先でつねる

べえた     棒

いしな     

いしなひろい  波打ち際での玉石拾い

ひんめ     お昼前

よおさり    夕方から夜中

 「夜さり」とは 

たっちゃ    夕方

どまどま    忙しいときのさま

たっちゃのどまどま晩飯前のひととき

すずんで    涼み台


やすしばい   大衆劇

うたうたい   歌手

あたまんたか  枕元

あしみる    期待する

はつみ     頭がいい人

いちげ     まじめすぎる、またその人

うそこき    嘘つき

あみぃ     

あみゃふっちきた雨が降ってきた

かじぃ     風、風邪

かじゃじちきた 風が出てきた

かじじたおりた 風邪で倒れた

きずい     無愛想だ、とっつきにくい

ちぶて     冷たい、冷酷だ

ちって     冷たい

ぜえご     田舎者

すまくら    片隅

あかまま    赤飯、降参するときの台詞

ずみぃ     じみな人物

しんばり    あかぎれ、しもやけ

かたに     とびひ、湿疹

がっぱ     頭にできる湿疹、一生懸命

がっぱんなる  真剣になる、夢中になる

うたっちゃ   困ったなあ     

きにょ     きのう

きんの     きのう


でくさ     大工

せえべん    煎餅

いんぞ     側溝

どぼそ     側溝、どぶ

うざくらし   いやらしい

うざっかし   気持ちがわるくなる

すばる     減る

にまる     座る

にまんまっし  座ってください(お客に)

ぽんぽんにまり 正座

あぐち     あぐら

おじじ     祖父

よこざ     おじじの座る囲炉裏指定席

あした     高下駄

あしたへいちありく     高下駄を履いて歩く


みとにしる   ばかにする

みとんね    みっともない

いのく     動く

ちゃび     噂話が好きな人

ちゃびこき   噂話を広める人


わろわす    笑わせる

くたびる    くたびれる、疲れる

せせる     さわる、触れる

いろう     さわる

いろめ     さわるな

せせりこわし  さわっているうちに壊すこと

みとんぼ    灯台もと暗しのさま、その人

いれぇ     しんどい、疲れる

でぇ      からだがだるい、大

じんじ     お金

じんもき    金もうけ

いとし     かわいそう

ぐちにん    愚図な人   


うんしゅ    みかん

にいじん    にんじん

ごんぼ     ごぼう

にっか     ねぎ

ぼぶら     かぼちゃ

ぼっばぁ    かぼちゃ

ばたばた    バイク

たくもん    焚き木

あしっかし   忙しい

しりつ     手術

ふんじょ    不自由

やくそく    天命、運命

はくしゃ    くしゃみ

せべぇ     狭い

みいでら    がんもどき

よて      得意技

つりぃ     友人

やうち     気のおけない友人

まつい     気のおけない仲間


せんじょばり  独り占めして喜んでいる者

やがて     すぐに

たんと     たくさん

ちょっこし   少し

ちょっこ    ちょっと

こねだ     この間

やくっしゃ   薬局(語源は薬種屋)

よっれ     寄り合い

あい【ayi】                 

えぇ      あいの風

すびり     すべり、いさざ、春告魚

ごんしゅう   「御酒」(美川町の民謡)

おいうぇ【oiwe】    お祝い

ごっつぉ    ごちそう

よばり     酒食の招待

いっぺのみ   大酒飲み

いたんま    板の間

じょん     おかしなこと

じょんな    おかしい

ととのわん   まったくおかしい

あもりゃねぇ  しっくりしない

へぐる     くどくど言う

かやす     こぼす

しぐ      死ぬ

ごにる     死ぬ

じゃまねぇ   大丈夫だ、問題ない

がんこな    すごい、すばらしい

さんにょ    計算

さんにょしらず 計画性のない人物、大立者

しゃばしらず  教員、医者、僧侶、政治家


あおのきてんば 大の字になり寝ているさま

ひとかたき   食事一式・一人前

いっちん    ご飯一杯

いっちんてっ  おかわりください

おつき     お汁

だごじり    鰯のだんご汁

しょんねぇ   味が足りない

くどい     味が濃い

じきゃねぇ   落ち着かない

じきもくららもねぇ   落ち着く暇がない

よもくらわりい 悪意がある、具合が悪い

えごふく    腹を立てる

どぐさる    退く、だまる、寝る

ふとぎ     ふとん

ざぶとぎ    ざぶとん

おく      やめる

まくりおく   すぱっとやめる

いっしょざけ  仮祝言

かくもち    かきもち

ほりぃ     それ

ほしたら    そしたら

ほうや     そうだよ

ほうやとこいに そうだって

ひっきる    消える

ひっきす    消す


はまどこ    海辺で育った人たち

いっけ     親戚

いっけまつい  親戚一同

またじ     後片付け

おしなかす   失くす

おしなかる   失くなる

さぶし     寂しい

さびぃ     寒い

あっつい    暑い

あちぃ     熱い

あちちゅ    熱かったときの悲鳴

あちち     一途になること、またその人

ぬくい     暖かい

しょこにいりる 集中する

いっちょもん  一芸に秀でた人、ひとすじ

くいきいっちょもん   大食漢

らくまつ    楽天家、仏様のような人

いちゃきね   かわいい

かえがる    かわいがる

にいる【niyiru】 しきりに話す

にいっとこいや   言ってきかないんだ

うるし     嬉しい

うるしもせぇ  嬉しいけれども何か不安だ

こてりん    こたえきれない

うるしちこてりん嬉しくてたまらない


あんやとぉ   有り難う

ごにごそんな  有り難うございます

めぇどそん   こんにちは   

なんまんだ   南無阿弥陀仏

あらあいや   たいへんだ、どうするんだ

だんねぇ    いいよ、かまわない

なもねぇ    なんでもない

なんやち    なんだと

どいや     どうしてだ

でえげ     なんだって

さっでえげ   それはいったいどうしてなの

でええん    「どいや」「でえげ」を強調

わっさぁでええんお前いったいどうしたんだよ

けえちって   書いてよ

うとちって   歌ってよ

くとんし    ください

けえちくとんし 書いてください

うとちくとんし 歌ってください


ええそらし   愛想がいい

ええそんね   ものたりない

おかえり    天下の稀祭「おかえり祭り」

ええじゃええじゃ 祭りの山車を引くときの掛け声

とどおこおのせえ 山車を引く直前の合図の掛け声

あとりもおどせえ    山車を後ろに押すときの掛け声

やんさんやのおお    山車を持ち上げるときの掛け声

 おみこし本宮出発   おかえり一日目映像  

 小柳ルミ子『お祭りの夜』

    藤島桓夫『お月さん今晩わ』 


おおっりゃ   望外な喜びが訪れたきの叫び声

おりょりょ   懐かしい人と逢った感動の言葉

ああはや    「ああ」を強調した落胆の言葉

およろっしょ  「よろしく」という挨拶の言葉

だらき     ばか者、情け深い人、立派な人

はんだら    すばらしい人

だらっきゃ   ばかだなあ、情篤くすばらしい

おんぼらあと  ゆっくりと、ゆったりと

はんなあり   心ゆくまで

しゃっわし   幸せ

ことこと    温かいさま


今回はこのあたりにして、

次回は会話例を記します。









〈参考〉


高崎政一さん









浅川マキ



島田清次郎
(1919年6月8日新潮社発行、20歳、売上50万部)




以上
北出晃さん(美川町出身)

写真の右横を左クリックすると拡大できます。


  この絵をなんと見たらよいのだろうか
  日本海が大きな湖のように思えてくる
  大陸、半島と交易が盛んだったのでは  
     日本の重心富山県沖(富山県作成)



座右の銘
「困っている人々のためにこそ、
 政治が光を当てねばならない」
「強い力を削いで弱い方へ回す、
 ハンディキャップを埋めるのが
 政治だ」








当講座記事NO.136
秋山郁美さん(美川町在住)


当講座記事NO.273





〈後記〉
 美川の本当の祭りは二日目夜、露天商が
 帰り、山車が小屋に収まってから始まる。
 各町内が山車を持ち、町内総出で楽しむ。
 祭りに訪れた人たちは「夢のような世界」
「この世のものとは思えない」などと言う。
 当講座NO.224で紹介した八尾の風の盆は
 各町内ごとに踊る。場所は離れているが、
 このおかえり祭りとどことなく似ている。





〈追記〉

   童心に還るおとなと子らの船
   
  大輪のきしみの音が胸を打つ

  提灯の揺れと灯りに母をみる

           東京都 矢部 朋子







〈追々記〉
当講座記事NO.362から

でえごぬ花が咲き 

風(かじ)を呼(ゆ)び 嵐が来た 


でえごが咲き乱れ 風を呼び 嵐が来た 

繰り返す くぬ哀(あわ)り 

島わたる 波ぬぐとぅ(如)

ウージの森で あなたと出会い 

ウージの下で 千代にさよなら 

島唄ぐゎ 風に乗り 

鳥(とぅり)とともに 海ゆ渡り 

島唄ぐゎ 風に乗り 

届けてたぽり 私(わんく)ぬ涙(なだ)ぐゎ 


でえごぬ花も散り さざ波が揺りるだき 

ささやかな幸しは うたかたぬ波ん花(ばな) 

ウージの森で 歌った友(どぅし)よ 

ウージの下で 八千代を去り 

島唄ぐゎ 風に乗り 鳥とともに 海ゆ渡り 

島唄ぐゎ 風に乗り 届けてたぽり 私の愛を

 

海よ 宇宙よ 神よ 命よ 

このまま永遠に夕凪を 

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ 

島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の涙 

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ 

島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を




 
 







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303. 教え子を再び何処へ送るのか

【2023年5月25日配信】   マスクをめぐる学校との苦闘                   千葉県 今野 ゆうひ  17歳                          2019年。新型コロナウイルスが突如 として私たちの生活に現れました。何もわ からないまま政府に舵をゆだね、ウイルス の災いとして ”コロナ禍” は四年目に突入し ました。 当時中学三年生だった私の日常も  “コロナ禍” によって一変しました。  外出自粛、一斉休校、ソーシャルディス タンス、マスク、消毒...   それら政策を半ば面白がりながら、20 21年まで三年間、流されて過ごしました。  人との接触をなるべく避けながらいかに 楽しめるか。マスクをしていかにおしゃれ をできるか。いつしか私たちの生活は“コロ ナ禍”ファーストへと姿を変えていました。  2021年、高校一年生になった私も“コ ロナ禍”ファーストな高校生活を送っていま した。  その年の夏、母と私は新型コロナと全く 同じ症状を発症。病院に行っても薬がない ので PCR検査などはしていませんが、あの 症状は確実に新型コロナだったと思います。 その時母と、“コロナ禍” ファーストな生活 をしていても感染はするし、普通の風邪と 同じように治るということに気づきました。  もちろん個人差はありますが、なぜここ まで徹底して感染源を特定したり外出制限 をしたりするのか、その時からじんわりと 疑問が生まれます。  経験は人を変化させますね。  そんなこんなで私と母は、自転車に乗っ ている時だけ。から始まり、すこしずつマ スクを外すことにしました。  ある日、母と一緒に近くの大きめのスー パーで買い物をすることになります。 「注意されるまでマスクしないで入ってみ るわ」  正直遊びの部分もありました。ちょっと 面倒くさくなっちゃったのです。強い意志 もないただのチャレンジだったので、何か 言われたらすぐ付けるつもりでした。  ところが、なんかいけちゃったのです。 一時間弱いたものの、誰にもなんにも言わ れず買い物終了。  なんということでしょう。今までやって きたことはなんだったんだと思うほどあっ けなくチャレンジは成功。今思えば、この スーパーで何か言われていたら、この文を 書くこともなかったで...
         柿岡 時正
         廣田 克昭
         酒井 與郎
         黒沢  靖
         神尾 和子
         前田 祐吉
         廣田 克昭
         伊藤 正孝
         柿岡 時正
         広瀬 心二郎
         七尾 政治
         辰巳 国雄
         大山 文人
         島田 清次郎
         鶴   彬
         西山 誠一
         荒木田 岳
         加納 韻泉
         沢田 喜誠
         島谷 吾六
         宮保 英明
         青木 晴美
         山本 智美
         匂  咲子
         浅井 恒子
         浜田 弥生
         遠田 千鶴子
         米谷 艶子
         大矢場 雅楽子
         舘田 信子
         酒井 由記子
         酒井 由記子
         竹内 緋紗子
         幸村  明
         梅  時雄
         家永 三郎
         下村 利明
         廣田 克昭
         早津 美寿々
         木村 美津子
         酒匂 浩三
         永原 百合子
         竹津 清樹
         階戸 陽太
         山本 孝志
         谷口 留美
         早津 美寿々
         坂井 耕吉
         伊佐田 哲朗
         舘田 志保
         中田 美保
         北崎 誠一
         森  鈴井
         正見  巖
         正見  巖
         貝野  亨
         竹内 緋紗子
         滋野 真祐美
         佐伯 正博
         広瀬 心二郎
         西野 雅治
         竹内 緋紗子
         早津 美寿々
         御堂河内 四市
         酒井 與郎
         石崎 光春
         小林 ときお
         小川 文人
         広瀬 心二郎
         波佐場 義隆
         石黒 優香里
         沖崎 信繁
         山浦  元
         船橋 夕有子
         米谷 艶子
       ジョアキン・モンテイロ
         遠藤  一
         谷野 あづさ
         梅田 喜代美
         小林 ときお
         中島 孝男
         中村 秀人
         竹内 緋紗子
         笠尾  実
         前田 佐智子
         桐生 和郎
         伊勢谷 業
         伊勢谷 功
         中川 清基
         北出  晃
         北出  晃
         広瀬 心二郎
         石黒 優香里
         濱田 愛莉
         伊勢谷 功
         伊勢谷 功
         加納 実紀代
         細山田 三精
         杉浦 麻有子
         半田 ひとみ
         早津 美寿々
         広瀬 心二郎
         石黒 優香里
         若林 忠司
         若林 忠司
         橋本 美濃里
         田代 真理子
         花水 真希
         村田 啓子
         滋野 弘美
         若林 忠司
         吉本 行光
         早津 美寿々
         竹内 緋紗子
         市来 信夫
         西田 瑤子
         西田 瑤子
         高木 智子
         金森 燁子
         坂本 淑絵
         小見山 薫子
         広瀬 心二郎
         横井 瑠璃子
         野川 信治朗
         黒谷 幸子
         福永 和恵
         小社発信記事
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         秋山 郁美
         加藤 蒼汰
         森本 比奈子
         森本 比奈子
         吉村 三七治
         石崎 光春
         前田 佐智子
         前田 佐智子
         前田 佐智子
         前田 佐智子
         中野 喜佐雄
         八木  正
         堀  勇蔵
         家永 三郎
         広瀬 心二郎
         菅野 千鶴子
         海野 啓子
         菅野 千鶴子
         海野 啓子
         石井 洋三
         小島 孝一
         キャリー・マディ
         谷本 誠一
         宇部  功
         竹内 緋紗子
         谷本 誠一
         酒井 伸雄
163、コロナ禍の医療現場リポート
         竹口 昌志
164、この世とコロナと生き方を問う
         小社発信記事
165、コロナの風向きを変える取材
         橋本 美濃里
166、英断の新聞意見広告
         小社発信記事
167、ワクチン接種をしてしまった方へ
         小社発信記事
168、真実と反骨の質問
         小社発信記事
169、世論を逆転する記者会見
         小社発信記事
170、世界に響けこの音この歌この踊り
         小社発信記事
171、命の責任はだれにあるのか
         小社発信記事
172、歌人・芦田高子を偲ぶ(1)
         若林 忠司
173、歌人・芦田高子を偲ぶ(2)
         若林 忠司
174、歌人・芦田高子を偲ぶ(3)
         若林 忠司
175、ノーマスク学校生活宣言
         こいわし広島
176、白山に秘められた日本建国の真実
         新井 信介
177、G線上のアリア
         石黒 優香里
178、世界最高の笑顔
         小社発信記事
179、不戦の誓い(2)
         酒井 與郎
180、不戦の誓い(3)
         酒井 與郎
181、不戦の誓い(4)
         酒井 與郎
182、まだ軍服を着せますか?
         小社発信記事
183、現代時事川柳(六)
         早津 美寿々
184、翡翠の里・高志の海原
         永井 則子
185、命のおくりもの
         竹津 美綺 
186、魔法の喫茶店
         小川 文人 
187、市民メディアの役割を考える
         馬場 禎子 
188、当季雑詠
         表 古主衣 
189、「緑」に因んで
         吉村 三七治 
190、「鶴彬」特別授業感想文
         小社発信記事
191、「社会の木鐸」を失った記事
         小社発信記事
192、朝露(아침이슬)
         坂本 淑絵
193、変わりつつある世論
         小社発信記事
194、ミニコミ紙「ローカル列車」
         赤井 武治
195、コロナの本当の本質を問う①
         矢田 嘉伸
196、秋
         鈴木 きく
197、コロナの本当の本質を問う②
         矢田 嘉伸
198、人間ロボットからの解放
         清水 世織
199、コロナの本当の本質を問う③
         矢田 嘉伸
200、蟹
         加納 韻泉
201、雨降る永東橋
         坂本 淑絵
202、総選挙をふりかえって
         岩井 奏太
203、ファイザーの論理
         小社発信記事
204、コロナの本当の本質を問う④
         矢田 嘉伸
205、湯の人(その2)
         加藤 蒼汰
206、コロナの本当の本質を問う⑤
         矢田 嘉伸
207、哲学の時代へ(第1回)
         小社発信記事
208、哲学の時代へ(第2回)
         小川 文人
209、コロナの本当の本質を問う⑥
         矢田 嘉伸
210、読者・投稿者の方々へお願い
         小社発信記事
211、哲学の時代へ(第3回)
         小社発信記事
212、哲学の時代へ(第4回)
         小社発信記事
213、小説『金澤夜景』(2)
         広瀬 心二郎
214、小説『金澤夜景』(3)
         広瀬 心二郎