407. ふるさとなまり【会話編】
【2025年6月16日配信】
328 ふるさとなまりの続き
おばばの言葉
白山市 番匠 俊行
運動会 リレー 隔世遺伝
太郎「おばば、あした、うんどかいやぞ。
見にこりっか」
おばば「さっ、行かんならんなん。
たっりゃあ、なんにじるがや」
太郎「リレと、玉入れと、騎馬戦や」
おばば「ほっりゃ、楽しっみゃな。
たりゃあ、あしゃ、はえがか」
太郎「ぐわっこじ、一番はえげ」
おばば「おっりゃー、ほんとかいに。
とうちゃんな、あしゃ遅かったがに。
かあちゃんも、はよねーげやけんど」
太郎「たろ、だりに似たんかにん」
おばば「おばば、はえかったがや。
たりゃ、おばばに似ち、いかったな。
あしたんリレ、しょこにいりち走ろぞ。
きばっとっしな」
太郎「おーん」
翻訳
孫「ばあちゃん、明日、運動会だよ。
見に来れるかい」
祖母「そらあ、行かなくちゃ。
太郎は何に出るの」
孫「リレーと玉入れと騎馬戦だよ」
祖母「そりゃあ楽しみだね。
太郎は足が早いの」
孫「学校で一番早いんだよ」
祖母「まあー、それはすごいね。
太郎のお父さんは足が遅かったのに。
太郎のお母さんも足が早くないのに」
孫「太郎、だれに似たのかなあ」
祖母「ばあちゃん足が早かったんだよ。
太郎はばあちゃんに似て良かったね。
明日のリレー、力いっぱい走ってね。
応援してるよ」
孫「よーし、がんばるぞ」
米不足 おすそわけ 隣人愛
おばば「めーどそん、だりもおらんがか」
隣のおじじ「おっろー、今行くぞ。
なんや、たろちゃんのおばばんねか。
どしてん」
おばば「ちょっこ、こみ分きちもろいんか。
こみやに、こみぃ、こうにったら、こみゃ、
ねーちゅんがや」
隣のおじじ「な、なんやち。こんみゃに、
こみゃ、ねーちか」
おばば「おいに。んな、せーもんどったわ」
隣のおじじ「じょんな娑婆になっとんな。
そこの、こみびつから、どっだきじも、
持っちくまっし」
おばば「きのどっきゃにーん。ほんな、
ちょっこし、もろちくぞいに。
ここに、じん置いちくし」
隣のおじじ「ほんなもん、いらんわいや。
足らんよになったら、またいらっしま」
おばば「あんやと。ほんな、なんかじ、
おかえしすっさき」
隣のおじじ「うちゃ、ひゃくしょやしん、
こみゃ、たんとあまっとるがや。こねだも
高砂部屋に、でけと送っちゃったがやぞ」
(つづく)