私は言いたい
【2021年3月17日配信 NO.149】
「自虐史観」をいう人々への反問
東京教育大学名誉教授
家永 三郎
「自由主義史観」とか「自虐史観」とかを
まともな教科書にレッテルはりをして得々と
している諸氏に次のような反問を提出いたし
ます。次のような内容の教科書で子どもたち
が学習していれば、本当に彼らが大人になっ
たときに、二十一世紀の世界に自信と勇気を
もって活動できるとお考えになっていらっし
ゃるのでしょうか。お答えください。
キグチコヘイハ テキノタマニ アタリマ
シタガ、シンデモ ラッパヲ クチカラハナ
シマセンデシタ。(『尋常小学修身書巻一、
大正七年二月発行』)
よい日本人となるには、つねに天皇陛下・
皇后陛下の御徳をあふぎ、又つねに皇大神宮
をうやまって、ちゅうくんあいこくの心をお
こさなければなりません。(同巻四)
支那はじっとこらへてゐるわが国の態度を、
臆病と見て取ったのか、ますます排日の気勢
をあふり、はては、わが居留民に危害を加へ、
満州におけるわが権益をさへおびやかす擧に
出ました。すなはち、昭和六年九月、支那軍
は、不法にも、南満州鉄道を爆破しました。
東洋の平和を望み、隣国のよしみを思へばこ
そ、たへしのんで来たわが国も、事ここに至
って、決然としてたちあがりました。(『初
等科国史下』)
遠すめろぎのかしこくも、はじめたまひし
おほ大和、ーーまことにわが大日本帝国は、
皇祖天照大神が、天壌無窮の神勅をくだして、
国の基をお固めになり、神武天皇が、皇祖の
大御心をひろめて、即位の礼をお擧げになっ
た、尊い国であります。以来、万世一系の天
皇は、いつの御代にも、深い御恵みを民草の
上にお注ぎになり、国力は時とともに充実し、
御稜威は遠く海外にかがやき渡りました。(
同)
ウソと神がかりの教科書のために、何千万
の国民と隣邦の人々が惨死したのではなかっ
たのでしょうか?
『教科書から消せない戦争の真実』(教科書
検定訴訟を支援する全国連絡会編集・発行、
青木書店発売)から
小社発行・『北陸の燈』第5号に掲載。
〈参考〉
上の本は、家永三郎さんから小社へ恵贈。
当講座NO.36にも家永さんの記事を掲載。
また、当講座NO. 76、77、97 の記事も
併せて参照していただきたい。