396. 冴え澄みわたる母音の響き
【2025年4月10日配信】
かもめの啼く音に ふと目をさまし
あれが蝦夷地の 山かいな
中央が劔岳 右に立山 左に毛勝三山 手前に虻ヶ島
2025.3.21 撮影 木偶乃坊写楽斎さん
日の出前の富山湾氷見海岸と阿尾城址
『江差追分』栴檀は双葉より香し
かもめの啼く音に ふと目をさまし
あれが蝦夷地の 山かいな
忍路高島 およびもないが
せめて歌棄 磯谷まで
船は船頭の うたごえのせて
はやる心も 波まかせ
話が難しすぎてうたえなくなる
大滝秀治の演劇論を聞くが如く
追分を運んだ北前船 当講座記事NO.330から
2024.9.23 朝日新聞 「江差追分は海の歌」
これまでにない独自の歌の解釈がある。
こんな難しい歌をよくぞうたえるものだ。
且つよくぞここまで曲を練り上げたものだ。
先人の偉大さ、それだけに深い味わいがある。
歳を重ねてどんな磨きがかかるのか、楽しみだ。
以下参考
布勢の水海(氷見市の十二町潟)の遊覧から
国府(伏木)への帰途、渋谿(雨晴海岸)の
手前の松田江の長浜で、風光絶佳の月景色に
家持一行は、馬の歩みを暫く停めて堪能した。
本物の蝦夷地
2025.2.25 木偶乃坊写楽斎さん撮影
中央が劔岳、右に立山、左に毛勝三山、手前は虻ヶ島
小社推薦世界三大舟歌 当講座記事NO.328から
歌に合わせる尺八とソイ掛けの妙技
イリヤ・レーピン『ヴォルガの舟曳き』
小社推薦日本三大民謡 当講座記事NO.388から
撮影 木偶乃坊写楽斎さん
〈追記〉
『牛深南風節』 強靭な南風(はいや)
「追分」と対極のもうひとつの流れ
「南風」の舟歌・民謡・激しい踊り
上記記事の流れも一気に吹き飛ばす
牛深ハイヤ(南風)祭り 天草市牛深町
「佐渡おけさ」「阿波おどり」のルーツがここに
貴重映像 牛深ハイヤ節も北前船が運んだ
かつての大相撲取り口分解写真のような踊り
YouTube.Sassyrcから
南風で今朝出した船は どこの港に入れたやら
来た(北)かと思えば また南風(はえ)の風
風さえ恋路の邪魔をする (写真:本当の南風)
〈後記〉
「追分」の発祥地はモンゴル高原にあるのでは
ないだろうか。馬と語らう歌がルーツに思える。
「牛深ハイヤ節」の発祥地はフェニキアあたり
ではないだろうか。流れ流れて天草までたどり
ついたのではないか。哀愁漂う「越中おわら節」
の真逆を感じさせる。気の弱い私には何かしら
恐怖をおぼえるのである。海賊の歌がルーツか。
風神が乗り移った踊りなのか。 (当講座編集人)
俵屋宗達 国宝「風神雷神図屏風」
雷神が手に持つ雷太鼓の撥
カミナリ様にもなる
カナン地方から来たフェニキア船
(ネバムンの墓の壁画 前1400年頃)