258. 敵国条項と九条
【2022年6月18日配信】小社発信記事
いまこそ敵国条項の論議を
憲法9条があるにもかかわらず国連憲章
の敵国条項に照らせば、日本はいまだ敵国
対象国である。もし国政を担う責任ある党
や人物が、再び天皇を元首にとか教育勅語
の復活、自衛隊を国軍にという改憲に関す
る「戦争」発言をし、これらが日本の侵略
行為であるとみなされれば、この敵国条項
により、国連加盟国は日本に対しいつでも
自由に無条件で武力による先制攻撃ができ
るのである。
言論の自由をはきちがえた国会議員の発
言と責任は特に重いのである。 戦争を指
向する一国会議員に対する譴責(けんせき)
や糾弾、辞職勧告ではすまされない国会議
員一人ひとりが問われる緊急重要事態とな
り、国民の生命・国家存亡の危機となる。
「不戦の誓い」をした日本が真に戦争を望
まぬ国であるなら、その意思を国民の代表
者たる国会議員は常に躊躇なく国内外に示
すべきである。国会は3年前に戦争発言を
した丸山穂高衆議院議員を、懲罰委員会を
開いて本会議で除名にするべきであった。
また、日米安保条約があるにもかかわら
ずこの敵国条項の削除を最も妨げているの
は、日本の同盟国であるはずの米国である。
ここで日本が改憲まで指向すれば、日本は
世界に向かって軍事行動・侵略政策の再現
をするとみなされ、国連加盟諸国から軍事
的制裁を受けることにもなりかねない。
日本が憲法に掲げる平和主義を貫く道は、
なによりもまず敵国条項撤廃へのたゆまぬ
努力である。
敗戦後これまで日本が参戦せず、かつ戦
禍を被らなかったのは、憲法9条以上にこ
の敵国条項にあると私はみている。衆院が
本会議で全会一致で丸山穂高議員に対する
「糾弾決議」を可決したのも、敵国条項を根
拠とするロシア、中国、米国等の国連加盟
諸国の圧力があったからではないかともみ
ている。
日本は世界でただ一国の敵国対象国であ
る。このことは国連が日本をまだ侵略国と
みなしている証左である。戦後77年、日本
はいまだに独立国ではないのである。岸田
首相は、日本の平和と独立のためには、同
盟国である米国のバイデン大統領に、米軍
基地存続を敵国条項を盾に拒絶するべきで
ある。
軍備の増強はますます敵国条項の撤廃を
遠ざけるものとなる。さらに改憲により軍
事色を強めれば、日本は永遠に敵国対象国
となり、国連加盟諸国からの無条件武力先
制攻撃を常時覚悟しなければならない。
非戦平和を求める人々や外交交渉等によ
ってこの敵国条項が撤廃されたときに初め
て憲法9条が真に生きて、日本は独立国と
なれるのである。日本の平和努力にもかか
わらずそれでも国連が日本を敵国対象国と
するなら、そのような国連を日本は毅然と
して脱退し世界に誇る憲法9条を矛として
新たな国連をつくる魁になればよい。
(金沢出版社代表 番匠正一)
〈参考〉
日本国憲法
第二章 戦争の放棄
第九条
① 日本国民は、正義と秩序を基調とす
る国際平和を誠実に希求し、国権の
発動たる戦争と、武力による威嚇又
は武力の行使は、国際紛争を解決す
る手段としては、永久にこれを放棄
する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍
その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。
国際連合憲章 (敵国条項の抜粋)
選択肢のない参院選
今回の参議院選挙において以下の四点に
つき私なりに各党の評価をしてみました。
これでは私が投票できる政党はありませ
ん。
改憲勢力がさらにどれほど増えるのか、
反ワク改憲の参政党が何議席獲得するかと
いうことだけがこの選挙の見どころです。
改憲のシナリオが整いつつあります。
はたしてこれでよいのでしょうか。
国会議員たる方々は本当に国民の代表者
なのでしょうか。国民の命と暮らしを守っ
ているのでしょうか。真摯に国民のことを
考えているのでしょうか。
真に国民とともに歩まんとする政治家は、
選挙という土俵にも上がれないシステムに
なっているからでしょうか。
改憲 戦争 天皇制 コロナ注射
自民党 賛成 賛成 賛成 賛成
公明党 賛成 賛成 賛成 賛成
維新 賛成 賛成 賛成 賛成
NHK 賛成 賛成 賛成 賛成
立民党 賛成 賛成 賛成 賛成
国民党 賛成 賛成 賛成 賛成
参政党 賛成 賛成 賛成 反対
共産党 反対 反対 賛成 賛成
社民党 反対 反対 賛成 賛成
れいわ 反対 反対 賛成 賛成
私 反対 反対 反対 反対
〈追々記〉川柳
改憲は全世界への宣戦布告
小浜市 川藤 由美