294. おんな川にかかる橋
【2023年3月3日配信】
『小原修作品集』作成にあたり
金沢市 小原 基子
人間八十年の時代、第二の人生、人によ
っては第三の人生が話題になってきており
ます。夫、小原修(修さん)は、農林省、
石川県で農業技師、技官としての職業人生
を定年で卒業し、五十八歳からは、好きな
写真を開始し、以来、四半世紀を超える第
二の人生をカメラと共に見事なまでに楽し
んできました。
自動車免許を持たない修さんの機動力は、
もっぱら自転車で、重いカメラバックを荷
台にくくりつけ、住居の近くの浅野川(女
川)、東山界隈、卯辰山そして時には繁華
街の香林坊などを歩き回り、少年時代から
の思い出多い金沢の町並みを切り取り、一
瞬の出会いを写し取ってきたのです。また、
カメラ雑誌や旅の案内で気になる風景に出
会うと、必ず撮影旅行を企て、自らの手に
よる旅程の下で日本の四季と風土をカメラ
と共に訪ね歩きました。
こうして三十年近くを写真三昧で過ごし
てきましたが、2004年夏、足に激痛が走る
ようになり、右大腿骨の手術を受けました。
残念ながら回復は思わしくなく、以来闘病
生活にはいり、趣味の写真も叶わなくなり
ました。
かねてより、「写真集をしてみたら」と
話してきましたが、シャイな性格から固辞
しつづけておりました。今回、病気と闘う
励みになればと考え、これまでの写真帳か
らコンテストに出品、入賞したものなどを
取り出し、修さんの了解の下に作品集を作
ることにしました。
こよなく金沢を愛した夫、修さんの目を
通して見た金沢の記録として、修さんの最
初で最後の作品集を作成しました。お目に
留めていただければ幸いに存じます。
『小原修作品集 -金沢を記録する-』から
浅野川 常盤橋 医王山
友禅流し
中の橋から浅野川大橋を描く人々
梅雨の季節 梅ノ橋
とうろう流し 天神橋
女川に雪ぐ 主計町 一文橋
雪の日 梅ノ橋
仲よし 中の橋(一文橋)
春近し 天神橋近く 常盤橋
〈参考〉
市民が見つけた金沢再発見
〈後記〉
上の作品集から浅野川と浅野川にかかる橋に
ちなむ情景を選んでみました。
写真の中または右横を左クリックすると拡大
できます。
この作品集ができたあと、小原基子さんは、
夫の小原修さんの友人、同僚、近所の方たちに
この本を贈呈しました。
修さんの父・小原徳太郎さん(陸軍軍医・大
佐、建国大学教授、金沢一中・金沢医専卒)は、
「満州の鉄嶺にいたときに張作霖爆殺事件があ
り、軍から呼び出されて張作霖の体を診たが、
張作霖は既に亡くなっていた。遺体の処置だけ
した」(ある意味、歴史的スクープ)と、生前、
家族に語っていたといいます。
徳太郎さんは徳富蘇峰とも交流があり、神奈
川県中郡二宮町の徳富蘇峰記念館に徳太郎さん
の蘇峰宛書簡があります。
また、二代目・天中軒雲月の浪曲に徳太郎さ
んと熊本出身兵との心温まるものがたりがあり、
帝国蓄音器(現テイチク)がこの浪曲をレコー
ド発売しています。
作品集は2005年3月の発行ですが、まだ30冊
手元に残っているそうですので、同書の編集者
で小原修・基子夫妻の娘婿の鳥本俊和さんまで
ご連絡いただければ、ご希望の方に同書を贈呈
したいと基子さんも鳥本さんも言っています。
それから、上記レコードを探しているところ
でもあり、このレコードの所在を知っている方
がいましたらご一報いただきたいとのことです。
レコードのタイトルは、天中軒雲月涙演『事実
美談この父に泣け』(萩原四朗作、中支派遣軍
小原部隊提供)です。
鳥本さんの連絡先を以下に記します。
連絡先 鳥本 俊和
〒920-0926 金沢市暁町17-24
電話(076)261-4432