286. 九音の調べ
【2023年1月1日配信】
魚鳥来親
初春の岳に舞い立つ九色鳥
ベルリン 間曽 悦子
初日を浴びる不二 2023.1.1 於国立市
撮影 飯塚 恵さん
〈参考〉
老いらくの壮士なおあり秋の岳
無外
吉澤 庄作
(当講座記事NO.222より)
2022.10.28撮影
撮影者 東京都練馬区 中山 由さん
(当講座記事NO.273から)
手前に新湊大橋
木偶乃坊写楽斎さん撮影
新年乃始乃波都波流能家布敷流由伎能伊夜之家餘其騰
あらたしき としのはじめの はつはるの
きょうふるゆきの いやしけよごと
新たしき年の始めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事
金沢市立小将町中学校校歌
詩 室生犀星
曲 山田耕筰
朝はやき
町の景色に
やまかはをうしろに
甍は見ゆる。
わが母校の
おしへみちびきの
あさつゆ清き道のべに
ひとはひとよりまなび
ひとはひとをみちびく。
ありがたきかな
みちびきの奧處(おくか)に
やまかはの榮(はえ)を見ひでむ
ふるさとに
生ひたちたるわれら
わが母校よ
友よ
よろこびをささげむ。
よろこびをうたはなむ。
小将町中学校校歌
我は張りつめたる氷を愛す
斯る切なき思ひを愛す
我はそれらの輝けるを見たり
斯る花にあらざる花を愛す
我は氷の奥にあるものに同感す
我はつねに狭小なる人生に住めり
その人生の荒涼の中に呻吟せり
さればこそ張りつめたる氷を愛す
斯る切なき思ひを愛す。
詩集『鶴』(素人社書店、1928年)
巻頭詩「切なき思ひぞ知る」