218. 優曇花の馨り
【2022年1月1日配信 NO.218】
高岡市 小竹 倫子
初春の朝の光に雪が舞う
撮影:木偶乃坊写楽斎さん(氷見市)
写真中央が劒岳、右に立山、左に毛勝三山、
手前に虻ヶ島
父
船橋 夕有子
父の後姿を見て
時々涙ぐむことがある
身体が少し小さく見える
腰が少し曲がって見える
歩幅が狭くなって見える
あんなに大きく
たくましく見えた父が
この頃
小さく見える
真黒に日焼けした身体
太く引き締まった腕
その腕をしげしげと
ながめながら
この腕に四人の子供の
生活がかかっているのだと言う父
子供たちのために
働くのだという父
漁師の朝は
早くて辛い
吹雪で荒れた
真冬の海へ
太陽がかんかん照りつける
真夏の海へ
その父が
この頃小さくなって見える
(当講座記事NO.74より)
西日さす富山湾(当講座記事NO.208から)
撮影:作田 幸以智さん(金沢市)
〈参考〉
優曇花・優曇華(うどんげ)
三千年に一度花を咲かせ、その
ときは金輪王(須彌山の四州を
すべ治める最も優れた帝王)が
現われるという想像上の植物。
めったにないことが現われるた
とえ。(角川漢和中辞典から)
雪と徽軫(ことじ)灯籠
撮影:作田 幸以智さん
(当講座記事NO.174から)
文明アナリスト・新井信介さんの発信
2019.4.5 日の出直前の仏島(氷見市)
これから海の向こうの糸魚川の海岸辺りから
陽が昇る 朝焼けの紫が赤に溶け込んでいく
撮影 木偶乃坊写楽斎さん