279. 束縛のなかの自由
【2022年11月11日配信】小社発信記事
民主主義とは何か
米中間選挙の最終結果が不思議なことに
まだ出ない。「民主主義」を謳う米国がこ
んなことでよいのだろうか。民主主義とい
うものがまったく機能していない。とくに
アリゾナ州の開票状況はでたらめであり、
およそ民主主義と呼べるものではないこと
を証明している。この様子からして2年前
の大統領選と同じくバイデンジャンプとい
われるものが起こりそうな気配だが、今後
いかなる結果に落ち着こうと、民主主義と
いうもの、民主主義思想・民主主義実践に
禍根を残すことになる。
民主主義の根幹ともいえる選挙に信頼が
おけない以上、投票箱を握った者たちが政
権をとり政治を行い世を動かしていく仕組
みとなる。今の状況は、これまでの世界も
民主主義の名の下にそのように運営されて
きたことを如実に炙り出している。
政治の体制や制度、手続き等が封建的で
あれ、独裁的であれ、全体主義的であれ、
共産主義的であれ、民主主義的などであれ、
政治の根幹に携わる者に「民主主義思想」
「民主主義実践」がない限り、いかなる体
制・制度であっても、民主主義は機能しな
い。
逆にいえば、たとえば、始皇帝やチンギ
ス・カンやヒトラーが民主主義思想を抱き、
かつ国民・人類全員を真心から敬い愛して
いたなら、自らの独裁的・全体主義的体制
や制度を活用・強要して国民や人類のため
の人権尊重・非戦平和などの善政を行い、
民主主義を実践することができたというこ
とである。
つまるところ問題の本質は、いかなる体
制・制度であれ、為政者であれ非為政者で
あれ、世の各人がどれだけ自らの持ち場で
独立して民主主義思想をもち、民主主義を
実践できるかにかかっている。
トランプの言動によって民主主義の危機
を感じた有権者が共和党有利の予想を覆し
民主党へ票が流れて現在の状況になってい
るという大手メディアの報道、解説もある
が、このような報道、解説をすることこそ
「民主主義の危機」である。
実はこれまでこの世に民主主義というも
のはなかったのである。真に世の人々のた
めにある民主主義の実践もなく、束縛の中
の、道具としての名の自由と民主主義だっ
たのである。また、投票箱を先に握ろうと
する前近代的発想・手法・精神を、そして
投票箱を握った者を民主主義、民主主義者
と呼ぶべきではないはずだ。
束縛の一切を取り除いた民主主義思想・
民主主義実践が、この世とこの世の人々個
々人に、価値あるもの・普遍性あるものと
して根づかない限り、この世に未来はない。
まずゼレンスキーとバイデン、続いてトラ
ンプ、プーチン、習近平、岸田文雄、金正
恩といった為政者たちが、この世の現状を
少しでも良くしたいという真心と責任をも
って「民主主義の創始」を行使することを
望むものである。あらゆる束縛からの人類
救済、解放のために。生きとし生けるもの、
すべての生きものが腹中から喜びをもって
生きる環境のためにも。そして、奪われ荒
廃してしまった人心、情の復活のためにも。
(当講座編集人)
〈以下参考〉
束縛を与えるものへの考察と
中間選挙結果がもたらすもの
当講座記事NO.
2022.11.8 CNN
2022.11.9 毎日新聞
2022.11.11 毎日新聞