272. 学級通信「あいこでしょ」の願い
【2022年10月4日配信】
「命」の新文化創造の世へ
小松市立稚松小学校
教諭 辰巳 国雄
題字 井上碧山さん (北九州市)
絵 本多千鶴子さん(金沢錦丘高校1年)
学級文集とか、学級通信とか、学級機関
紙といわれるものを発行することを、教師
の仕事の軸の一つにして実践を積み重ねて
いる人がずい分多いと思う。
私は、学級通信(学級文集・学級機関紙
も含めて)を発行してから、もう三十年近
くになる。あるときは季刊であったり、月
間であったり、週刊であったり、日刊であ
ったり、その形はさまざまである。その一
年、一年で形も異なり、内容も変わってき
ている。大ざっぱな言い方をすれば次のよ
うになるだろう。
子どもたちの生活のなかみや、思いや考
えを、本音のところで知りたい。それは、
話すということででもできるかも知れない
が、数十人の学級の子どもたち全員の本音
を知ることはむずかしい。話すことの不得
手な子でも書くことによって本音を語って
くれるだろう。また書くことによって、さ
らに、自分の生活や、思いや考えを、見つ
め直すことになり、印刷されたものを通し
て、学級のみんなの共通の認識を得られる
だろう。共通の認識を持った学級集団(子
どもたち)は、それをステップに、学級集
団の文化を創り上げていく力にするだろう。
これが、私の教育の大きな柱だった。こ
うして始めた学級通信発行の仕事は、子ど
もたちの全面発達を願う私の教育実践のそ
のときそのときの証しともなるものになっ
た。学級通信が発行できなくなるというこ
とは、私と子どもたちとの歩みが止まるこ
とである。ただ子どもたちの作文や詩を書
いていくだけではなく、教師としての自分
と子どもたちとのかかわりや、私の思想を
も反映させた学級の歩みを学級通信の中に
定着させていくことだった。それは、一時
間一時間の授業を最高に充実させるという
きびしい仕事に支えられてのみ続けられる
仕事ということであった。日刊の学級通信
は、こんな一つの証しであると思った。
今年の学級機関紙「あいこでしょ」は、
不定期刊行だが、平均すれば、週二~三回
(一号六ページ平均)になる。
子どもたちの書く作文や詩、学級集団の
歩みや問題点を出しながら、親・子ども・
教師が共に考え合い、学び合い、子どもた
ち一人一人を個性的に、うんと大切に、本
音を出し合って育てていきたいという願い
の「あいこでしょ」にしたい。
学級機関紙「あいこでしょ」から
稚松小学校三年一組
いもをたべた話
山本 雅也
ぼくがテレビを見ていたら、ばあちゃん
のわらい声がかいだんからしてきた。ばあ
ちゃんは二かいにきてもまだわらっていた。
そして、ぼくが、ばあちゃんの手の方を見
た。そしたら、ばあちゃんは、いもをもっ
ていた。
そして、
「それどうしてん。」
とばあちゃんにきいた。そしたらばあちゃ
んは、
「まあちゃんのうんこみたいや。」
といったので、ぼくは、
「そういえばそうやな。」
といってわらった。いもをたべたら自分の
うんこをたべたきもちになった。
たのしみにしているおばあさん
後藤 祐美
いつも、ばあちゃんは「あいこでしょ」
をよんでいる。
「たつみ先生は、こどもがすきで、ほんと
にねっしんな先生やわ。それと、たつみ先
生は、いつもこれをもたせる。ちょっとよ
んで。」
と「あいこでしょ」をだした。おかあさん
もよんで、
「ほんとうにいいことかいてあるわ。」
といいました。
こないだ「あいこでしょ」がなかった日、
ばあちゃんは、ざんねんそうなかおをして、
「ざんねんや、たのしみにしとったのに。」
といいました。
「あいこでしょ」にわたしのがでたと、ば
あちゃんにいったら、うれしそうなかおを
して、
「よかったね。」といってくれた。とても
うれしかった。
わたしは、三年生になったから、もっと
じょうずになりたいと思った。とうぶん、
「あいこでしょ」は、みんなの人気もので
しょう。
うちのおかあさん
北村 美抄
うちのおかあさんは、やさしいです。も
しも95てんとかをとっても、
「あら、おしかったね。」
でおわりです。
わたしがねていると、ようふくをうえに
のせてくれます。あそぶ人がいなかったら
あそんでくれます。ねこにひっかかれたら、
おくすりをぬってくれます。
いつもわたしがかえるまでまってくれて、
いっしょにスーパーへいきます。
「このおかしかって。」
といったら、かってくれる日もあるし、か
ってくれない日もあります。
わたしは、うちのおかあさんがすきです。
かぞくぜんいんすきです。みんなながいき
してほしい。
おかあさんが来た
山崎 勝義
きのうは、さんかん日でした。おかあさ
んは、しごとでいそがしいので、さいごの
ほうで来ましたが、すぐかえりました。ぼ
くは、ざんねんでした。でも、しごとがい
そがしいのだから、しょうがない。でも、
来てくれただけでいい。ぼくはそう思った。
ぼくは、うちにかえったら、みせの中は
おきゃくさんで、まんいんだった。ぼくは、
いつもなら、「ただいまー。」と大ごえで
いうのに、きょうは、まんいんなので、ち
いさいこえで「ただいま。」といった。
やさしいけどおこるおかあさん
柿田 真弓
わたしのおかあさんは、やさしいけどお
こります。でも、かんじテストで100点
をとったら、なにかをくれます。うれしい
です。
おかあさんはねむたくなっても、子ども、
あかちゃんのせわをしています。いそがし
いとおもう。おかあさんは、やすむひまも
なく、ずーっとおしごとです。
わたしもてつだってあげようと思うけど、
おかあさんがろうじんになってもながいき
してほしい。
いそがしいおかあさん
前田 美和
わたしのおかあさんは、つとめをしてい
て、五時~六時にかえってきます。
それから、かえって、ようふくをきがえ
てから、しょくじのしたくをしたり、おま
いりをしたり、いろいろします。
その中で、一ばんいそがしいのは、おち
ゃわんをふいたり、あげものをしたりする
ときです。
わたしはそのとき、
「いそがしそうだな。」
と思って手つだいをするときもあります。
おばあちゃんも、おかあさんがかえってく
るまでしたくをまい日しています。
朝は、おかあさんがつとめに行くまで、
朝食や、お米をはかって入れものに入れま
す。
わたしは、これから、おかあさんとかを
あまり心ぱいをさせないで、あんしんして、
ごはんやおかずを作ってもらいたいと思い
ました。
おかあさんの仕事
安井 秀樹
あかあさんは、朝五時におき、けしょう
をして、朝のごはんのよういをして、おと
うさんのおべんとうを作ります。おとうさ
んがでかけてから、せんたくをして、げん
かんや、お店のかいだんをそうじしていま
す。
おかあさんは美よういんをしています。
朝の八時半から、夜六時半までの仕事です。
おきゃくさんのかみをきれいにする仕事で
す。
今日、朝からパーマをかける人がいまし
た。かみをあらって、それからカットをし
て、ロットでまき、ドライヤーでかわかし
て、その人がきにいるようにしてあげます。
おわったら、ゴムとロットをあらって、
かみをかっこの中にかわかします。
たくさんたまったら、ぼくもひろげてあ
げます。一日に、カットやパーマやヘアダ
イといろいろな仕事をしています。たまに
男の人もパーマをかけにきています。男の
人は、小さいロットでまくので、女の人よ
り一時間おそくなります。みんなだいじな
おきゃくさんなので、ていねいにしてあげ
て、よろこばれるようにがんばっています。
お店のひまをみつけて、夜のごはんのよう
いをしています。
一日中いそがしくしごとをして、夜、ごは
んをたべてからマーケットに行き、あすの
おかずをかって来ます。
ぼくは、いっしょうけんめいはたらいて
いるおかあさんを見て、おてつだいをたま
にしてあげようと思っていますが、お天気
がいいので、外にばかり遊びに行くのでで
きません。ぼくは、がんばりやのおかあさ
んだと思います。ぼくも勉強をがんばらな
くてはと思っています。
ぼくにできそうもない仕事だった
村田 篤哉
お母さんの仕事は、九谷焼の絵つけです。
ぼくの家からちょっとはなれた近藤さんと
いう家ではたらいています。
ぼくらが学校にいってからそうじをした
りして、九時ごろからいきます。おひるに
は帰ってきます。その時おやつを用意しと
いてくれます。そして、またひるから五時
ごろまで仕事をしています。
ぼくが学校から帰ると、お母さんの仕事
場へいく時があります。見てるとかんたん
そうに見えますが、とてもたいへんだそう
です。ざぶとん二まいにすわり、小さいテ
ーブルの上に九谷のしなものをおいて、色
をぬったり、ふでで絵をかいたり、しぼり
だしたりしています。
ぬる色をつくる時は、ガラス板に色のこ
なをおいて、それにニカワというものをよ
くまぜます。よくまぜたら、ぬりやすくな
るまでお水をいれて、よくガラス板の上で
すります。するときの音は、「ギー」とい
います。ぼくは、その音をきくと、さぶく
なります。
しぼりだしの色を作る時は、色のこなに
ふのりをまぜて、これも、とろーっとなる
まで、お水をたしながらかきまわします。
絵を書くまでに、こういうじゅんびをし
なくてはなりません。こうして、しあげた
しなものは、よこのかまで、650度~7
50度の温度で焼いて、せい品になるそう
です。
お母さんは、一日じゅうすわり仕事なの
で、かなりこん気がいるし、運動ぶそくに
なるといっていました。
とてもぼくにはできそうもないたいへん
な仕事だと思いました。
大工さん
磯野 好美
お父さんは大工さんです。手はゴツゴツ
でかたいです。ちまめもあります。きずあ
ともあります。私は、(すごいなあ)と思
います。
家をたてるとき、いろいろなどうぐをつ
かいます。とくにきかいをたくさんつかい
ます。木をいっぱいはこぶので、力もちで
す。
あなのあいているところは、さしこむだ
けだと思ったら、ちゃんとくぎでうってい
ました。
休みの日は、いねかりをしたり、たまに
あそんでくれます。お父さんは大工さんだ
から、あんまりひまがないので大変です。
家のかわらは、かわらやさんがもってき
たのをお父さんがはるのかとおもったら、
かわらやさんが、かわらをはるのでした。
私は、そのはんたいだと思っていました。
あさ七時ごろにおきて、八時ごろに仕事
に行きます。ひるは一時ごろに仕事に行き
ます。かえってくるのは七時ごろです。ご
はんをたべてから、また仕事に行きます。
お父さんは、いつも朝おきるのが一番おそ
いです。
これからも、けがをしないようにがんば
ってください。
夏休みが休みでないおとうさん
松本 仁美
わたしのおとうさんは、中学校の先生で
す。夏休みがあるのですが、毎日のように
学校へ行ったり、クラスの人の家へかてい
ほうもんをして、
「がんばって勉強しているか。」
などといって、はげましているそうです。
また、わたしのまちの子ども会のせわが
かりもしています。だからおとうさんは、
「夏休みがあっても休みでない気がする。」
といっています。そんな毎日だけどその間
に海や山や川へ遊びにつれていってくれた
ので、とてもうれしかったです。
お父さんのはたらく工場へ行った
田部 知里
お父さんはセキスイじゅしにつとめてい
ます。夜おそく行ったり、朝はやく行った
りします。お父さんはホースをつくってい
ます。人はあまりいません。ほとんどきか
いがやります。ホースをつくるげんりょう
は、小麦このようなもので、二かいにおい
てあります。そのぱんこのようなものと水
のようなものを二かいから入れます。ミキ
サーでまぜあわせると、色のついたお米の
ようなものができます。それをあついとこ
ろでホースにします。
できたばかりのホースは、とてもあつい
ので水でひやします。それがながれていき
ます。
黒いホースをまくものが、いっぱいつん
であります。それをきかいにかけて、なが
れてきたホースをきかいでまきます。
お父さんのふくそうは、はい色のふくの
よこに入れるところがあって、そこにはさ
みを入れてあります。
黒いホースをまくものにホースをまきお
わったら「ピー」となります。お父さんは
なったら、はさみでホースを切ります。ま
いてホースを切るのを、きかいがやるのも
ありました。
できたものには、とうめいのテープがは
ってあって、たくさんつんでありました。
いろんな色がありました。つんであるんで
はなくて、長ほそいはこに入れてあって、
リフトではこんであるのもありました。
はこに黒いものが入れてあって、上にき
かいがあった。そのきかいは、手のようで
黒いものを持って、そのはこにおとしてい
ました。わたしは、それで何をするのかわ
かりませんでした。
ぼくの家は植木屋
竹林 忠邦
ぼくの家は植木屋です。おじいちゃんと
おとうさんと、おしごとさんが四人ほどで
す。
天気の良い日は、外で木にのぼり、さん
ぱつをしたり、にわをつくったり、しょう
どくをしたりします。
雨の日は、できないので休みです。その
日が、ぼくの家の日よう日です。夏などは、
あつくて、まっ黒になります。
ひるになると帰ってきて、あせびっしょ
りで、シャツとパンツをかえてから、ごは
んをたべます。ぼくは、たいへんだなあと
思います。
冬になると、なわをたくさんつかって、
えだがおれないように、雪つりをします。
とてもきれいです。ときどき、てつだいに
いきますが、とてもむずかしいです。でも、
おもしろいです。
竹のさきになわをつけるのがむずかしい
けど、つないだなわを木のえだにむすびま
す。ぼくは、それがとくいです。
にわをつくるときは、おじいちゃんがか
んがえて、おとうさんとそうだんしてつく
ります。木や石をたくさんいれて、すてき
なにわをつくります。そんなおじいちゃん
とおとうさんをえらいと思います。
うちのみせはとこやです
小村 康史
うちのみせはとこやです。まい日、じい
ちゃんが六時三十分におきて、商売のよう
いをしています。おかあさんは、せんたく
と二かいのそうじをしてから、おみせにで
ます。おじいちゃんとおとうさんは、新聞
を見ています。
あさからパーマをする人もいます。パー
マは、三時間ぐらい時間がかかります。と
きどき、ひまなとき、おとうさんがキャッ
チボールをしてくれます。
おきゃくさんがくると、おきゃくさんが、
「こんにちは。」
といったら、おとうさんと、おかあさんと、
おじいちゃんが、
「いらっしゃいませ。」
と大きい声でいいます。
休みの日は、第三日曜と月曜日です。お
じいちゃんは、ゲートボールにいきます。
おとうさんは、けいばとか、つりとか、ソ
フトボールのしあいにいきます。
ときどき大そうじをします。そのとき、
ワックスをぬったり、ゆかをふいたりしま
す。いつも大へんな三人。これからも、そ
のちょうしでがんばってください。
おねえちゃんありがとう
出口 美鈴
わたしのおねえちゃんは、へんなことを
言ってきらいだ。
でも、本当はやさしい。
今日なんか、えんぴつを二本くれた。お
ねえちゃんが、
「このえんぴつ、いらんしあげる。」
と言ったので、心の中で、ありがとうと思
った。いっぺんに二本ももらって、うんが
ついていると思った。ふつうの日ならあた
らないのに、今日だけもらえた。おねえち
ゃん、ありがとう。
おにいちゃんとかえった
岡久 笑
きょう、おにいちゃんとかえりました。
おにいちゃんは、おなかがいたかったから、
ほけんしつへいったそうです。かえるとき
もいたかったとおもいました。おにいちゃ
んは、いつもはやくあるくけど、きょうは
おなかがいたいから、のんびりあるきまし
た。わたしものんびりいきました。かけは
しがわをいったとき、きらいな人が二人い
ました。おにいちゃんもきらいだから、お
にいちゃんは、はやくあるきました。もう
いえのちかくのときものんびりしてあるい
ていました。
おみやげもらった
鍛治 瑞希
おかあさんのおにいちゃんのおにいちゃ
んのこどもは、中学の三年一くみです。
そのあんちゃんは、しゅうがくりょこう
というのにいきました。
おみやげをもらいました。おとうさんと
おかあさんは、おちゃわんでした。おとう
とは、でっかいすずでした。いもうととわ
たしは、かがみでした。
おかあさんのおにいちゃんは、小学二年
生のなつやすみぐらいにしにました。だか
ら、おかあさんのおにいちゃんのおにいち
ゃんは、たばことさいふです。あんちゃん
のおとうとと、じいちゃんとばあちゃんは、
わかりません。
あんちゃんは、人のことばっかりかんが
えていたから、じぶんのをかってくるのを
わすれました。
おみやげもらってよかった。
しんせきのみつるくん
鹿島 幸代
わたしは、しんせきの家へ行って、犬の
ベルとあそびました。そのベルはとしより
です。だから、あまりあそんでくれません。
しんせきのとこには、わたしとおばあち
ゃんとおとうとと行きました。しんせきの
家には、あかちゃんがいます。その子のな
まえは、みつるくんです。まだ八かげつし
かたっていません。その子ともあそびまし
た。
「トゲウオ」を知っているかい
佐垣 大輔
このあいだ、中田くんとザリガニとりに
いきました。中田くんが、川の中を見てい
たので、
「どうしてん。」
といいました。そうしたら中田くんが、
「トゲウオがいる。」
といったので、いってみたら、ほんとうに
トゲウオでした。
トゲウオというのは、せなかに一本とげ
がついていて、おなかに一本とげがついて
いるので、トゲウオです。
トゲウオの中に、「イトウ」と「トリヨ」
と「トミヨ」の三しゅるいいます。
とちゅうで、ザリガニが二ひきとれまし
た。用水ろの中をのぞくと、ぼんやりした
「トゲウオ」がいました。あみを水の中に
入れました。一かいですくえました。
家へ帰って水そうにいれました。そうし
たら元気よくおよぎました。とてもうれし
そうでした。「きっと水がきれいになった
からうれしいんだ。」と思いました。「な
るべくながいきしてほしい。」と思いまし
た。
名前がおもしろい
伴場 洋平
せんせいの名前は、たつみくにおってい
う名前だ。はんたいからよむと、おにくみ
つただからおもしろい。とくに、おにくが
おもしろい。たつみもおもしろい。かえて
みると、たたみになる。もっとかえてみる
と、たたりになる。くにおをかえてみると、
にくいおにになる。