240. 世界を動かす7人の男
【2022年3月15日配信】
H先生の思い出
西田 皓幸
あれからもう五十年以上が過ぎた。
私が高校3年の時、英語の教科の教師は
H先生だった。先生の授業は雑談が多く、
自身の家庭のことや別れた妻の話までされ
た。私は先生の雑談をいつも楽しみにして
いた。先生は当時、五十歳くらいだったよ
うに思う。
H先生の雑談で私が特に関心をいだいた
のは、「この世界はたった7人の男で動か
している」というものだった。話に続けて
「7人だぞ、7人」 と決まって言うのであ
る。そのたびに教室に笑いが起こった。
さらに続けて、さほど勉強もできない私
に向かってH先生はなぜだか毎回の授業の
中で、「西田、がんばれよ」と必ず一回は
言うのである。そのたびにまた、教室中に
笑いが巻き起こるのである。同級生たちは、
先生が私に7人になれとからかっていると
思っていたらしい。
私はH先生からそう言われるたびに、恥
ずかしくもあったが、なぜか嬉しいという
気持ちのほうが強かった。ただ、先生に贔
屓されていると同級生に思われるのが嫌で、
私から先生には声をかけなかった。
卒業式の日、私はH先生が一人でいる時、
初めて先生に声をかけた。
「先生はなぜ私に、がんばれよといつも声
をかけてくれたのですか」
私の問いに先生は、
「君とはオレと珍しく波長が合うからだ」
と言ってくれた。
そして私が最も聞きたかったことを尋ね
た。私は7人の話は本当のことだと思って
いたのである。
「7人はまともな人たちですか」
H先生は即座に、
「たんまりお金をもって使い道も知らずに
ただおもしろがっているだけの、ろくでな
しの人たちさ。そんな者に決してなるな。
いつかきっと7人に挑戦する者が現れる。
その時に、どうするかだ。人類や人間一人
ひとりの存在と生き方が問われる。新しい
時代が、必ず来る」
と言ってくれたのである。
今の世を見てH先生の先見の明に改めて
驚き、感心する。
〈参考〉
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268、289から
(政治倫理審査会の質疑も含む)
自然共生党ホームページ
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当講座記事NO.289、295、
300、302から
KYOUSEIさんの哲学note
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